以前、副担任を務めていた中学校での話です。
完全不登校ではないのですが、学校を休みがちな女の子がいました。
その子は、髪の毛が腰の当たりより長く、いつも1つに縛っていました。
その子は、体臭がひどく髪の毛などの見た目にも、フケなどが多くありました。
当然、学級内では席替えがあるたびに、前後左右の子がとても嫌な顔をするなど、周りからも嫌われてしまっていました。
家庭訪問なども行うのですが、家にはお風呂がないとのことでした。
経済的な問題もあったのかもしれませんが、やはり、両親の生活面に問題があったのは言うまでもありません。
こうなってくると、学校側からの指導などは全く効果もなく、担任、学年主任も含め、早く卒業してほしいと願うばかりでした。
その女の子は、学校でもほとんど喋ることがなく、学校という場所が、不登校の彼女にとって、どういう場所だったのか、ハッキリとは分かりません。
ただ、ずっと不登校なわけではなく、たまに学校に来るということは、逆に学校が逃げ場になっていたのでしょうか。
無理やりお風呂に入れたり、強制的に家庭に介入するとなったら、学校だけの対応では不十分で、市や県など、他の組織の力を借りて継続的にその過程を指導していく必要があったと思います。
そこまで踏み込んで、家庭の指導を行う余裕は、学校現場にはないと思います。
ただ、学校という場があるおかげで、逃げ場になっている子供も、不特定多数いるのではないか。
と、その経験から感じました。
りら
ここからは管理人が書いています。
中学校の先生の経験談です。
このお話を読んだとき、悲しくなりました。
この子の場合は、家庭環境が原因。周りの大人が救えた。
私はそう思ってしまいますが、現実として、踏み込んで救えないんですね。
不登校で、これぐらいだと介入が難しい。
この状態の中、学校に来ようとしていた。頑張っていたと思う。
学校を逃げ場所としていたのだとしたら、なんとかしてあげられなかったのだろうか。
話せるような環境に周りがしてあげられることはできなかったのだろうか。
私はひどいアトピーでした。頭皮にもアトピーがありました。
セーラー服だと落屑が目立ち、子供の時に避けられた経験があります。
今でもコンプレックスとなっています。
自分にはどうすることもできないことで避けられる。
この子は どれほど辛かったのだろう。
不登校の中で、原因がはっきりとしていて 解決できるパターンなのに。
思春期で娘と同じ中学生です。
もっとオシャレして、友達と楽しく過ごすごとができた子なのでは。
学校が逃げ場となっている子、そんな不登校児もいるのだと。
こういうパターンもあるのだと知っておくべきだと思いました。
りら
とても貴重な経験をお話しくださり、ありがとうございました。
